みなさん、こんにちは!スタッフの井上です。2月に入り、いよいよ一般入試の時期を迎えます。教室も緊張感に包まれ、受験生はもちろんのこと、3年生から高1・2生も良い刺激を受けているようです。去る1月13日・14日に大学入学共通テストが実施されました。来年度からの学習指導要領改訂に伴う出題科目等の変更を控え、今年も共通テストの出題傾向に注目が集まっていましたが、はたしてどのような動向・出題だったのでしょうか。今月号は、大学入学共通テストの動向をお伝えしたいと思います。
さて、今年の受験人数は、32年ぶりに50万人を下回り49万1,000人ほどだったようです。30年前というと、今ほど大学進学率が高くない時代ですから、いかに少子化が進んでいるかが見て取れます。また、昨年度対比では、2万600人ほど減少し、センター・共通テストを受験する人数が年々減っているようです。一方で、現役志願率は過去最高の45.2%とのこと。これらのデータから、浪人回避・現役志向で、共通テストを利用して受験する層も減少し、安全志向の受験になってきているようです。言い方を変えれば、学力層によって受験方法の棲み分けが段々と可視化できるレベルになってきているとも言えそうです。とはいえ、国公立志望生にとっては絶対に避けて通れない共通テスト。今年はどのような出題だったのでしょうか。
まず、1日目の英語リーディングで、受験生たちにかなりの衝撃が走りました。そもそも、昨年のリーディングの時点で、共通テスト開始以来最も低い平均点(53.8点)だったのですが、その主な要因は、長文化によって高い情報処理スピードが必要となったことです。そして、今年は更に平均点が下がり51点台の予測となっています。特に後半の問題の文章量が多く、難解ではないものの、長い本文を最後まで読み通せる速読力と体力が要求されました。ちなみに、昨年と比べても500語ほど増え、センター時代と比べると、約1.8倍の文章量です。
また、「思考力、判断力、表現力」を問うという方針におおむね則った出題が多くみられるようになりました。例えば、数学ⅠAでは、「電柱の高さと影の長さの測量」に関する問題、化学では冷却材や医薬品などに関わる作題もありました。社会科では、時事に関わるテーマでの出題もあり、教科書の知識だけではなく、その場で出題の意図・背景を測りながらの解答が求められます。実際、教科書に載っていない資料や実験などが出題され、思考力を試す、という意図が問題形式として固まりつつあるようです。
来年以降に受験する新3年生たちは、新たに情報Ⅰの出題や、学習指導要領の変更にともなう傾向の変化など、さらに高い水準での対策が必要となってきます。ぜひ早期からの対策を意識していただければと思います。また、匠グループとしても、常に情報をアップデートして引き続き高校受験・大学受験サポートにあたっていきます。