失敗は成功の母

みなさん、こんにちは!教務スタッフの井上です。

秋が瞬く間に過ぎ去ってしまい、めっきり寒くなりましたね。感染症にかかりやすい季節になりますので、引き続きみなさんも体調管理には充分気を付けくださいね。

さて、10月と11月は模試が大変多い時期したね。定期テストも含めると、高校3年生の受験生たちは、ほぼ毎週テストを受けているのではないでしょうか。長時間勉強のできる週末を模試の受験に充てるので、時間的にもバランスをとるのが大変難しいですね。

そして同時に、模試を受けた分だけ、それだけ結果もたくさん返ってきます。面談のなかで一緒に振り返りをしますが、私が特に心がけていることがあります。それは、テスト結果を本人がどう捉え、何が課題か、次に向けてどうしていくべきと考えているかをまずは聞くことです。テストの点だけ見て、私から一方的に話し出すことのないように。こういった面談のなかで、成績の伸びている生徒には共通した考え方がある、つまり伸びる考え方があると感じます。

1つ目は、失敗を認め受け入れること。たとえ成績が伸びていても、全てが上手くいくことは滅多にありません。まして現役生であれば、成績が伸び悩むのが当たり前です。しかし、似たようなミスをしたとしても、人によって受け止め方は違うようです。

例えば、計算ミスをしたとしましょう。ある生徒は、「計算ミスをしたけど、解き方は合っていたから解けた問題だった」と言います。ある生徒は、「解き方は合っていたけど、計算ミスをして解ききれなかった」と言います。後者の生徒に、次に向けて何をしたらいいと思う?と聞くと、「二度とミスしないように計算練習します」と言うでしょう。「ミスをした」と自覚しているからです。前者の生徒は、何と言うでしょうか。私の経験則から言うと、「演習量を増やします」とか「この単元を復習します」とか効果が低いだろうな、と思われる対策を答えることが多いです。そして、制限時間以内に解けなかったとか、英単語の意味が曖昧だったとか、そういったこと全てで同じような振り返りが出てきます。一番怖いのは、こういう振り返りを、日々の勉強でも行っているのです。

おそらく、ほぼ無意識に、悪意なく、前者の生徒のような考え方をしている生徒がいます。この悪循環を断つ方法はいたって簡単です。自分の心のなかで、「これは失敗だった」ときちんと認めることです。しかし、自分をむやみに責める必要は全くありません。その理由は、もう一つの考え方にあります。

その2つ目は、失敗の原因は自分の行動にある、と考えられることです。まず、絶対に考えるべきでないのは、自分以外のなにかを理由にすることです。他責と言います。テストが難しかった、テスト範囲が多くて演習しきれなった、部活が忙しくて疲れて学習時間がとれなかった、授業が分かりにくかった…言い出したら、いくらでもありますね。もちろん、客観的に上手くいっていないものは変えていく必要はありますが、しかし果たしてそれだけでしょうか?

さらに、他責ばかりで考えないということは、自責で物事を捉えるということですが、これもポイントがあります。失敗の原因は自分の「行動」にある、と考えるということです。つまり、失敗したのは自分の「能力」とか「才能」とか「頭の良さ」の問題ではないのです。自分の意志で、する・しないを選択できる「行動」に問題がある、ということです。部活から家に帰って行かなきゃ…とは思いつつソファに座ってダラダラしたことありませんか?なんとなく気が乗らないからと自習室を早めに帰ったことはありませんか?目覚ましで目が覚めたのに結局勉強できずにギリギリまで寝てたことはありませんか?さて質問です。これらの行動をするために、何か能力が必要でしょうか。必要ないですよね。自分の失敗を認め、自分の行動がその原因の一部だと考えられれば、振り返りはしたとしても落ち込む必要はありません。良くなかった行動を改善していくだけです。

さて、みなさんは、どちらの考え方に近かったでしょうか。私も書きながら、自分のことを振り返っていました。せっかく頑張るなら、伸びる考え方を身に着けて、自分の夢を叶えていきたいですね。