運命を拓く

こんにちは!スタッフの南です。3月は野球の世界大会WBCでの日本代表の戦いぶりが話題になりましたね。その中でも話題の中心になっていたのが大谷翔平選手。日本中からの期待がかかる中でしたが、大会中は投打の二刀流で大いに活躍されました。
テレビでも大谷選手の話題がたくさん取り上げられていましたが、そんな中で注目度が高まったのが、花巻東高校時代から取り組んでいる「目標達成プログラム」です。「オープンウィンドウ64」や「マンダラ」というワードを耳にされた方もいるかもしれません。オープンウィンドウ64というのは、最終目標とそれを達成するために目指す小さな目標を書き出し、さらにそれらの小目標を達成するための具体的な行動を記入したシートで、大谷選手が高校時代に記入したオープンウィンドウ64のシートが様々なメディアで紹介されていました。
多くのメディアで驚きをもって紹介されていたのが、大谷選手のオープンウィンドウ64のシートには野球の技術的な目標だけでなく、「運」や「人間性」といった目標とそれを達成するために「ゴミ拾い」、「あいさつ」、「礼儀」、「感謝」などの行動面の指針が書かれていることです。彼の当時の目標は「8球団からのドラフト1位指名」でしたが、それを達成するために「運」や「人間性」を高めることが重要であると高校生ながら気づいていたということが、大谷選手の凄さの一つではないでしょうか。
そんな大谷選手が、メジャーに行く前に熟読していた本があります。それは中村天風の「運命を拓く」という著書です。中村天風は昭和初期の実業家であり思想家でもある人物で、自らが大病を克服した経験から、「人としての在り方や心の持ち方」が人生を上向きにさせるためにいかに大事であるかを説き続けました。
中村天風は運命には2種類あるといっています。一つは人の力ではどうにも変えることのできない運命。例えば、どこに生まれたか、いつの時代に生まれたか、といったもので、これを「天命」と呼んでいます。一方で、絶対に逃れられない天命的なものだけが人生に襲い掛かるのではなくて、多くの人が悩み苦しむいわゆる運命は「宿命」であると述べています。
そして、この宿命というのは人間の力で打ち拓いていけるものなのです。しかし、多くの人は宿命にぶつかったときでもそれを天命だと言い、自分の努力不足を棚に上げてどうにもしようがないと言うのだと述べています。
この考え方は各教室に掲示してある誓約書事項の「周りの人やもの、環境のせいにしません」と同じですね。自分が直面する困難の多くは、自分次第でいかようにも乗り越えられることが多いのです。
生徒のみなさんには勉強を通じて、目標達成できる考え方や心の在り方を学んでほしいと思っています。結果が出れば何でもよいということではなく、自分で思い描いた目標を努力によって狙ったとおりに手に入れる、それを理想としてこれからも共に頑張りましょうね!