してませんか人のせい、物のせい

こんにちは。桜もすっかり葉桜に変わり、初夏の空気が漂ってきました。5月の大型連休を挟むことで、4月から始まった新生活の疲れがどっと出てくる時期なので、しっかりと心を休ませつつ過ごしていきましょう。

さて、人間疲れがたまってくるとイライラして攻撃的になりがちです。いつもなら受け流せるような言葉も、疲れているときにはカチンと来てしまうということもあるでしょう。疲れによって思っている通りに頭も身体も動いてくれないので、どんどんイライラしてしまうという悪循環ですね。

そうなってくるとついやってしまいがちなのが、「人のせい、物のせい」です。「あの人のせいでうまくいかない」「環境や道具がよくないせいだ」、こういったことを考えたことがない人はいないと思いますし、SNSやニュースを見ていると世の中にもたくさんいます。

そういった気持ちになること自体を止めることはできませんし、「こんな考え方をする自分はダメだ」と思ってしまうことのほうがより状況を悪化させてしまいます。しかし、気を付けておきたいのは、その気持ちをそのまま吐き出すだけではなにも解決しない、ということです。

数年前に大ヒットセラーとなった『嫌われる勇気』などで有名になったアドラー心理学のカウンセリングの考え方に次のようなものがあります。一般的なカウンセリングでは、「かわいそうな私」と「悪いあの人」のことばかりを話してしまいがちだが、本当に話さなければならないのは「これからどうするか」ということだ、というものです。つまり、現状についての不満や嘆きを話すだけのカウンセリングでは不十分で、次にどうしたいか、前に進む方法について自分の本当の想いを話してもらうことが大切だというのです。

確かに愚痴を吐くとその一時はすっきりしますが、根本的な問題が解決しないのでまたすぐにもやもやが溜まってしまいますよね。誰かや何かにイライラしているとき、「あ、自分はイライラしているな」と気づく頭の中の冷静な自分がいるはずです。そこに気づけることがまずは第一歩。そのあとは可能な限り一息つける時間をつくり、何がいやなのか、どうすれば前に進めるか、を自分の心に問いかけてみましょう。

イライラ、もやもやしているときはどうしても「人のせい、物のせい」の思考に陥りがちです。疲れをとるためにしっかり休むということがもちろん大切ですが、休んでいられないということもあるでしょう。そんな時のために、目につく場所、いつも見る手帳などに「これからどうするか」と書いたメモを挟んでおき、頭の中のもやもやの嵐を一瞬、止めることも有効かもしれません。

一度きりの人生、なるべくなら気持ちよく過ごしたいと思いますよね。イライラもやもやしないということは難しいかもしれませんが、そのイライラ、もやもやを前に進む糧(かて)にできるかどうかは自分次第です。ゆっくりでも、途中で立ち止まってもいいので、前に進める方法を身に着けて実践していきましょう。